MBA流ロジカル写真術 論理的思考でセンスの良い写真を撮る方法

センス(感性)をロジック(論理性)で乗り越えられるかを挑戦していきます

ロジック(論理性)でセンス(感性)を超えられるかに挑戦します

良い写真とは希少性の高い写真である

良い写真とはどんな写真なのでしょうか?美しい写真?感動する写真?売れる写真?「良い」と言ってもその定義は人それぞれです。
今回は良い写真の定義を、社会から求められる写真や人々から注目される写真など「市場価値の高い写真」として捉え、経済学的な視点から考えてみたいと思います。
(但し、市場価値の高い写真だけを良い写真と言いたいわけではありません。あくまで思索の一環としてそのように定義してみたという意味です)

市場価値はどのように決まるのか

市場価値とは、社会からどのくらい必要とされているかを表すものです。そして、市場価値価値は「需要」と「供給」のバランスによって決まります。
例えば、多くの人が求めているモノにも関わらずその数が少ない場合(=需要が高いが供給が少ない)、そのモノの市場価値は高くなります。
一方、多くの人が求めていても世の中に溢れていたり(=需要が高いが供給も多い)、数が少なくても世の中から求められていない場合(供給は少ないが需要も低い)は、市場価値は高くなりません。
コレクターアイテムなどはレアであるほど価格が高騰しますし、就職活動なら自身の希少性を如何に高められるかが年収アップに関係します。
そして、写真の場合もこの関係性は成り立つと思います。

希少性をどこに求めるのか

では、写真の希少性を高めるには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは次の3つの視点で考察してみます。
・時間、場所、被写体
・非現実性
・技術、独自性

写真は、その時、その場所にいないと撮ることができない

当たり前ですが、写真はその時、その場所にいないと撮影することができません。ということは、その時、その場所にいることの難易度が高い被写体ほど希少性は高くなり、相対的に技術的な要素の必要性は低くなります。極論としては、スクープ写真などでは写真の美しさなどは二の次だと思います。

私のストックフォトフォトが意外と売れた理由とは?

本屋に行くと世界遺産や絶景写真の本が溢れています。旅行写真は非常に需要が高い一方、海外の世界遺産は中々行くことができないので、撮影地が珍しいければ珍しいほど市場価値は高くなります。
例えば、私は今までに留学やバックパッカー、ビジネス出張などで、世界30カ国、130都市以上を旅しました。エジプトにも行ったことがあり、その時に撮ったツタンカーメンの黄金のマスクの写真をストックフォトで販売しているのですが、これが意外と売れました。
www.photolibrary.jp

不思議だったので調べてみると、私がエジプトに旅行したのは2003年なのですが、その時は無料で自由に写真を撮ることができました。ところが現在では博物館での写真撮影は有料、そして黄金のマスクは写真撮影が禁止になってしまっているようです。エジプトは人気の観光地で、特にツタンカーメンの黄金のマスクは目玉の一つなので、旅行関係の本やパンフレットなどの素材としてニーズは高いはずです。特別に上手な写真とは思いませんが、需要が高くて供給か少ないために市場価値が高くなる、という一例ではないかと思います。

Instagramで映える加工写真が増える理由

InstagramなどのSNSにも美しい写真が溢れています。ただ、最近は風景写真などは過度な加工がなされ、現実とはかけ離れた写真も多く見られます。
市場価値という視点で考えた場合、現実と変わらない風景写真ですと世の中に溢れていますし、見慣れているのであまり注目をされません。一方で目を引くのは、初めて見るような見たことも無い風景ですが、それを日常の中に求めようとすると、どうしても過度な加工を加えたくなります。非現実的であるほど希少性は高まり、注目は集めるかもしれませんが、実際に訪れると現実と違い過ぎてガッカリしたことも多いのではないでしょうか。
映える写真は市場価値が高いかもしれませんが、写真はその名の通り「真実を写す」ものであって欲しいと思いますので、私の目指す方向性とは少し異なっていると考えています。

美しい景色を探すな。景色の中に美しいものを見つけよ

私はゴッホの名言で好きな言葉があります。

Don’t seek for the beautiful scenery; find beauty in the scenery.
(美しい景色を探すな。景色の中に美しいものを見つけよ)
ja.m.wikipedia.org

日常風景の写真の中で希少性を高めるには、やはり撮影技術やユニークな視点が必要になります。
個人的にはNational Geographicのように、加工に頼るのではなく撮影技術や独自の視点を磨き上げ、その場の空気感や想いまで写し出すような写真が撮れるように成長していきたいと思います。
www.nationalgeographic.com

今日はこの辺りで