最近、とあるフォトコンテストで賞を頂くことができました。それを機に、自分自身の写真について改めて振り返ってみました。今回は、私が何故写真を撮るのか、そして写真で何を残したいと思っているのかを書いてみようと思います。
何故、どのような時にシャッターを切るのか?
写真がこの世に存在するためには、スマホであれカメラであれ、シャッターを切るという行為が必要です。そして、そこには必ず人の意思が介在します。あなたは何故、どのような時にシャッターを切っていますか?最近はSNSが盛んなこともあり、自分の感情というより、「映えそうだから」「いいねがもらえそうだから」という理由でシャッターを切る人も多いかもしれません。もちろん、それも写真の楽しみ方の一つだと思います。ただ、私自身を振り返ると少し違います。私は、「この愛おしい瞬間を忘れたくない」そう思った時にシャッターを切っていました。
誰のために写真を撮るのか?
私は家族の日常を19年間にわたり撮り続けてきました。その枚数は十万枚以上になります。学校行事や家族旅行だけではなく、自宅のリビングで過ごす何気ない日常も数多く写しています。後になって見返すと、それは二度と戻らないかけがえのない日々であり、その時の空気感がタイムカプセルのように記録されていました。それらは他人のために撮った写真ではなく、私自身のために撮った写真なのです。
写真には何が写っているのか?
写真とは撮影者のまなざしであり、撮影者と被写体との関係性も写っていると思っています。つまり、写真は自分自身の写し鏡です。私は家族に愛情を持って接し、妻や子供たちと良い関係を築いてきたつもりです。だからこそ、自然な笑顔や安心した表情を撮ることができたのではないかと思います。良い写真を撮るためには、技術だけではなく、自分自身の内面を磨き、相手との信頼関係を築くことが大切なのではないでしょうか。
写真に時間を写すことはできるのか?
写真に写るのはシャッターを切った瞬間の光景で、時間にするとほんの一瞬です。しかし、それらを積み重ねることで時間の流れを写すことができます。私は家族の写真を頻繁に撮るので、少し家族から呆れられている部分もあります。言ってみれば、『ちびまる子ちゃん』のたまちゃんのお父さん状態です。だからこそ、「お父さんが写真を撮るのは当たり前」という環境を家族の中に作ることができました。そして、新年の親戚の集まり、子供たちの誕生日、ひな祭り、こどもの日などの行事では、同じ場所、同じ構図で毎年写真を撮ってきました。ルーチンや仕組みに落とし込むと無理なく継続することができると思います。そして、一枚ではわからなくても10年単位で写真を並べると、子供の成長、家族の変化、変わったものや変わらないものが見えてきます。そこには確かに時の流れが写っていました。
人生という物語を記録する
私は1年に1冊フォトブックを作っています。子供が生まれた年から始め、今年で19冊になりました。その年にどのようなことがあったのかを振り返りながら、一年間に撮りためた写真の中から厳選して一冊のフォトブックにまとめます。写真を選ぶ基準はシンプルです。自分が「忘れたくない」と感じた瞬間かどうか。人間の記憶は曖昧で大切なことも少しずつ忘れていきます。だからこそ、フォトブックは人生の物語を記録するライフアーカイブなのです。
豊かな人生が豊かな写真を生み出す
写真が趣味という人は多いと思います。ただ私は、「写真を趣味にする」というより、「人生を楽しみ、その感動を写真に残す」という順番の方が大切ではないかと思っています。世界にはワクワクが溢れています。想像よりも広く、そして奥深い。私は旅が大好きで、これまで30カ国を訪れてきました。旅先で出会った感動を忘れたくないと思い、旅に出ると大量の写真を撮ってしまいます。また、星空や宇宙も大好きで、星のソムリエ®︎星空案内人の資格も持っています。月や星雲、銀河を撮影し、肉眼では見えない宇宙の姿が写真に浮かび上がる瞬間には感動します。興味や熱量のある対象を、自分なりの視点で記録する。そして、自分が感じた感動を誰かに伝えたいと願う。映えとも少し違いますが、これも写真の一つの形なのだと思います。
記録を作品に昇華させる
冒頭でフォトコンテストの話を書きましたが、多くの人はフォトコンテストのために写真を撮るのではないかと思います。しかし、私は順番が逆です。まず自分の人生を記録し、そして、その中から生まれた写真に合うフォトコンテストを探します。シャッターを切った時の思いや感情を、タイトルやキャプションで言葉にし、一つの作品へと昇華させていくのです。写真に込めた思いや感情に共感していただけた時、それが受賞という形になるのかもしれません。
Everyday Momentsという撮影テーマ
私は人生の中で出会った、愛おしいと感じた瞬間、忘れたくないと感じた瞬間にシャッターを切ります。そして願わくば、遠い未来にどこかで私の写真を見た人に、今を生きる私たちの日常の物語を伝えたいと思っています。心が震えるほど愛おしく、かけがえのない瞬間を。人生を楽しみ、その記録を残す。それが私の写真なのだと、改めて感じました。
それではこの辺で。











